相続手続きの中で、銀行に手続きを依頼するケースは珍しくありません。被相続人(亡くなった方)の口座がある銀行に相談すれば手続きがスムーズに進むように思える一方で、銀行を通じた相続手続きには高額な手数料が発生する場合があります。
この記事では、「銀行に相続手続きを依頼すると高い」と言われる理由や、費用を抑えるための賢い選択肢について解説します。
1. 銀行に相続手続きを依頼すると高い理由
銀行は専門的な相続手続きサービスを提供している一方、その手数料が高額になる理由はいくつかあります。
(1) 定額+資産に応じた料金体系
銀行の相続代行手数料は、多くの場合、以下のような料金体系を採用しています。下記は某銀行で紹介している遺産整理業務のご案内からご紹介します。
- 最低手数料:66万円~
- 遺産総額に応じた加算手数料:以下の表を参照
1億円以上の部分 | 1.32% |
1億円超 3億円以下の部分 | 0.66% |
3億円超 5億円以下の部分 | 0.33% |
5億円超 10億円以下の部分 | 0.22% |
10億円超の部分 | 0.11% |
例えば、遺産総額が1億円の場合、132万円程度の手数料が発生し、2億の場合は198万円が発生します。
また1億以下であっても最低66万円以上の相続手続き費用が必要となります。
(3) サービスのパッケージ化
銀行の相続手続きサービスは、必要な手続きがすべて含まれる「パッケージ型」が一般的です。便利ではありますが、「最低限のサポートだけでよい」という方にとっては割高に感じる場合があります。
(4) 手数料の明確性が不足している場合も
銀行によっては、事前に見積もりを提示しない場合や、明細が不明確な場合もあります。その結果、最終的な費用が予想より高額になるケースがあります。
2. 銀行に相続手続きを依頼するメリットとデメリット
【メリット】
- 金融資産に関する専門知識が豊富
【デメリット】
- 手数料が高額
- 必要以上のサービスを契約させられる可能性
3. 賢く相続手続きを進めるための選択肢
銀行を利用する際に高額な手数料が心配な場合、以下のような方法を検討することで費用を抑えられる可能性があります。
(1) 行政書士などの専門家に直接依頼
行政書士は、相続手続きの専門家であり、銀行と比べて費用が抑えられる場合があります。
戸籍謄本の収集、遺産分割協議書の作成はもちろん、不動産の相続登記や預金の解約手続きなど相続財産の整理まで相談できる事務所が一般的です。
専門家を活用することで、コストを削減できます。
(2) 相続特化の相談窓口を利用
福祉事務所や法テラス、地元の相続専門窓口など、無料または低額で相談できる機関を利用するのも有効です。相続の流れを確認し、どの部分を専門家に任せるべきか判断する助けになります。
5. まとめ
銀行に相続手続きを依頼すると、便利である一方で手数料が高額になることが多いです。そのため、費用を抑えたい場合は、行政書士など他の専門家に相談するのが賢明です。
相続手続きは煩雑でストレスがかかるものですが、専門家の力を適切に借りることでスムーズに進められます。この記事を参考に、自分に合った相続手続きの方法を見つけてください。
\ あんしん相続サポートチーム /